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第217話 熊本地震から10年

小児科医のつぶやき|第217話 熊本地震から10年

 5月になり、またまた暑い季節がやってきそうな予感です。熊本はいきなり暑くなったり、寒くなったりとあっという間に季節が変わってしまいますので、何年経ってもなかなか身体が慣れません。みなさんは暑熱順化という言葉がありますが、ご存知でしょうか。個人差もありますが暑さに慣れるようになるには数日から2週間程度が必要で、その間は汗をかくことが必要だということです。そのためには歩いたり、走ったり、熱いお風呂に入ることも有効だそうです。これから夏バテしないようにするためには、少しずつ暑さに体を慣らすことが大事なようです。  


 そして早いもので熊本地震からこの4月で10年が経過しました。振り返ってみればあっという間だったように感じます。当時高校3年生だった息子は野球の試合もなくなってしまい、さぞや悔しかったのではないかと思います。ただ残念ながら地震で亡くなられた方もたくさんいらっしゃいましたので、改めて「生きているだけで丸儲け」という言葉を実感しました。以前東北で発生した地震の報道を見た時には地震は他人事でしたが、その後熊本をはじめ各地で起こる地震の報道を受け、どこにいても地震には気をつけなければいけないというのを思い知らされました。日本に住んでいる以上、安全の地というのはどこにもないように感じています。


 幸い病院の被害はさほどでもありませんでしたので、診療も比較的スムーズに再開出来ました。だたし、被害の酷かった西原村や南阿蘇村のお子さんは受診されることが少なくなってしまいました。現在はほぼ地震前の状況に戻り、地震後に生まれたお子さんも多くなってきました。子どもたちの笑顔を見るたびに、再び自然災害が起きないようにと願うばかりです。当時は心の不調を訴えるお子さんが目立ちました。大人でも怖かったのですから、子どもたちは尚更だったのではないでしょうか。  


 現在では各地で復興もかなり進み、心の傷も少しずつ癒えてきたように思います。また被害の酷かった益城町も道路が整備され、震災の姿は無くなりつつあるように感じます。熊本城も天守閣は雄大な姿を見ることが出来るようになったものの、石垣や他の施設の修復に関してはまだまだ時間がかかるようです。ただ完成したらどんな姿を見せてくれるのか、今から楽しみではあります。熊本でも徐々に地震を思い起こさせるような建物は少なくなってきています。


 震災当時も朝夕はまだ寒かったように記憶しています。ただ大きな感染症の流行がなかったのは不幸中の幸いではなかったかと思います。もしもいったん感染症が流行すれば、避難所も閉鎖に追い込まれる可能性がありますので、関係各所の皆さんの努力には頭が下がる思いです。改めて小さな子どもたちにとっては感染症から身を守るためには、やはり必要なワクチンをきちんと接種する事が大事だと思います。今年3月には近隣の小学校で水痘のため学級閉鎖になったところもあったようですし、現在は関東を中心に麻疹の発生報告を耳にすることが増えましたので、ワクチンで予防できるものはしっかり予防しなければいけませんね。


 先日も東北地方で震度5の地震が発生しましたし、今後は南海トラフ地震も発生が予想されています。どこにいても誰にでも自然災害は遭遇する可能性がありますので、ワクチン接種をはじめとして日頃からの備えをしっかりやることが被害を最小限に防ぐことではないでしょうか。      



【令和8年5月】
よしもと小児科 吉本寿美

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