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第195話 小児科医の仕事とは

小児科医のつぶやき|第195話 小児科医の仕事とは

 今年の梅雨入りはやや遅くなりましたが、今年も熊本らしい梅雨がやってきたようです。例年ですとこの時期になると病気のお子さんは少なくなってきて小児科の外来は少し落ち着いてくるのですが、今年はやや様相が違うようです。先月から原因不明の発熱のお子さんが結構多く受診され、きちんとした診断が出来ずに頭を悩ませています。そのため、検査も多くなってしまい待ち時間も長くなっています。今月に入れば少しは落ち着いてくれるのではと期待していますが、果たしてどうなるでしょうか。    


 さて一般的に小児科開業医の仕事といえば、皆さんはどんなことを思い浮かべられるでしょうか。普通だと病気のお子さんを診察して投薬治療をしたり、ワクチンを接種したりというのはお分かりになるかと思います。ただ、実はこの他にもたくさんの業務があります。主に時間外の仕事になりますが、まずは自治体の検診の担当があります。現在は菊陽町の7ヶ月、1歳半検診を担当していますが、菊陽町には今は小児科医が2名しかいませんので、何とか2人で分担して行なっております。幸い10月には後輩の先生が開業されますので、やや負担が減るのではないかと期待しています。


 次に時間外業務といえば、保育園と学校検診の業務があります。これが意外と大変でして、最近は小学校の生徒さんの人数が増えたため、かなりの時間を要するようになってきました。更には今年度から中学校の校医も担当することになりましたので、ちょっと大変です。また保育園も現在数件担当しています。今でも検診をお願いできませんかと他の園から問い合わせがありますが、さすがに時間的に限界ですのでお断りしているのが実情です。小学校は1年に1回でいいのですが(秋には1日だけ出向いています)、保育園は春秋の年2回実施しなくてはいけませんので、なかなかこれ以上担当を増やすことが出来ないのが実情です。  


 それから開業医の重要な仕事としては、救急外来のお手伝いというのがあります。自分は月1回の地域医療センター勤務と数ヶ月に1回の日赤救急外来勤務を行なっています。残念ながら熊本方式ともてはやされたのも昔の話で、今や熊本の小児科医にも高齢化の波が押し寄せ、時間外小児救急を維持するのも少しずつ難しい状況になってきています。働き方改革の影響も大きく、今後どうなるのか不安要素もありますが、知恵を絞って続けていかなくてはいけないと思います。そしてあと1つ忘れてならないのが看護学校の講義というのがあります。将来の看護師さんの育成にはとても重要な仕事になります。    


 このように小児科医は通常診療以外に色々な仕事を主に時間外に行なっています。特に6月は検診業務などが集中して、昼休みがなくなってしまう日が多くなりましたので辛いところではありますが、それでもかかりつけのお子さんとお会いすることも多いので、行けばほっこりすることも少なくはありません。このような仕事は普段見えないものですからご存じでない方も多いのではないかと思いますが、普段の診療以外にも色々と働いているというのを少しだけでもわかってもらえたら嬉しいです。なかなか休憩時間を潰して働いていますので体力的にも大変なところではありますが、子どもたちのためにこれからもできる範囲でやれることは続けていきたいと思います。少子化が叫ばれている昨今ですが、我々小児科医にはまだまだ活躍の場が残されているようです。  



【令和6年7月】
よしもと小児科 吉本寿美

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