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第109話 継続する難しさ

小児科医のつぶやき|第第109話 継続する難しさ

 浅田真央ちゃん(さんですね)が引退されました。これまで20年以上も滑ってきたとのこと。元々飽きっぽい性格だったそうですが、続けてきた自分を褒めたいと会見で話されていました。僕ら世代は我が子のように応援していましたので残念ではありますが、これからは第2の人生を楽しんで欲しいと思います。本当に長い間お疲れさまでした。  同じことを継続するのは、単純で簡単なようですが実は非常に難しいものです。どうしても時間が経てば誰でも飽きてきますよね。我々の仕事とて同じことで、開業医という仕事はあまり変化のない仕事であることに違いありません。しかも、同じことを何度も繰り返し喋っているようにも思います。ですが、目の前の子どもは日々変わっていますし、その子と保護者の方にとっては初めて言われることばかりです。まただと思っても、ひたすら同じことを喋り続けるのが我々の仕事なのです。


 同じことを継続するのは、単純で簡単なようですが実は非常に難しいものです。どうしても時間が経てば誰でも飽きてきますよね。我々の仕事とて同じことで、開業医という仕事はあまり変化のない仕事であることに違いありません。しかも、同じことを何度も繰り返し喋っているようにも思います。ですが、目の前の子どもは日々変わっていますし、その子と保護者の方にとっては初めて言われることばかりです。まただと思っても、ひたすら同じことを喋り続けるのが我々の仕事なのです。


 開業してやがて15年になりますが、以前に比べてここ最近は病気の種類が変わってきたように感じます。今や髄膜炎は全くいなくなりましたし、嘔吐下痢(特にロタ)で点滴をするお子さんもかなり少なくなりました。どちらもワクチンの効果によるものだと思います。そのため、受診するお子さんも以前に比べたらやや減少してきたようにも思います。当院の地域性もあるとは思いますが、地震の後から南阿蘇や西原村のお子さんの受診は明らかに減少しました。


 しかし、受診するお子さんが少なくなったからといって手抜きをすることは出来ません。極端なことを言えば、たとえ1人しか受診しなかったとしても、そのお子さんをしっかりと診察しなくてはいけません。我々開業医はその他にも、院外での健診業務や、看護学校の講義など、時間外の業務も行わなくてはなりません。最近は、ちょっときつくなってきたと感じることがあります。ずっとやっていたら新鮮味はなくなりますので、同じことを継続する難しさを自分なりに感じています。


 僕自身は、まだまだ小児科医の中では若い部類に入るのかなと思います。これからも、今の仕事は続けていくつもりですし、やっていかなくては困る方がいらっしゃいますので、もうしばらくは頑張っていかなくてはいけないかなと思います。小さかった子どもがいつの間にか大きくなっている、その成長を見られるのは我々小児科医の喜びでもあり、特権でもあります。薬をあまり使わないという、開院当初からの理念をこれまで何とか貫いてこられました。時間はかかりましたが、ここ最近は理解してくださる保護者の方も多くなりました。残念ながら、あまり薬を出さないので他の小児科や耳鼻科の先生のところに流れていったお子さんも多数いらっしゃいます。それは個人の選択の自由ですので、僕とは縁がなかったということでしょう。最近になりやっと国が「抗生剤を減らしましょう」と言い始めました。ちょっと遅すぎるというのは否めませんが、少しは前進でしょうか。これからも継続して欲しいものです。


 経営者として、小児科医として、親として、今の仕事をこれからも継続していくというのは言うほど簡単ではないようにも思います。我々の仕事は日々変化のある仕事ではないのですが、きっと自分から探せば新しい何かが見つかるのではと思います。以前指導していただいた教授からは、「珍しい病気も大事だけど、普通の病気も大事だよ」と教えていただいた記憶があります。待っているお子さんがいらっしゃる以上は、たとえ受診されるのが風邪のようなお子さんばかりだとしても頑張っていかねばと思っております。継続する楽しさと難しさを感じながら、これからも自分なりに頑張っていこうと思います。



【2017年 5 月】
よしもと小児科 吉本寿美

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