菊陽町のよしもと小児科です

お問い合わせ・ご相談はお気軽にどうぞ
Tel.096-233-2520
トップページ >  第85話 チームワーク

第85話 チームワーク

小児科医のつぶやき|第85話 チームワーク

 やっといい季節になってきました。新しい環境に戸惑っている人も少なくなってきたのではないでしょうか。そろそろ5月病という何とも不思議な心の病に陥る人がいるかもしれません。わからないではないのですが、まずは一人で悩まないようにしましょう。きっと周りの誰かが救いの手を差し伸べてくれるはずです。


 社会の仕組みとして、やはり一人では何も出来ないというのは明白なことです。学校にしても、会社にしても、あるいは家族でさえ一つのチームなのです。力を合わせればどのような困難も乗り越えられるのではないでしょうか。当院のような小さなクリニックでさえ、いわばチームであります。医者のみでは何も出来ません。かといって看護師さんだけでも成り立ちませんし、受付の方がいなければ会計さえもままなりません。たかがクリニックでさえチームワークが不可欠なのです。


 さらに言えば、受診していただいているお子さんや保護者の方もチームの一員と考えてもいいのかもしれません。関係する全ての方がいて、「よしもと小児科」というチームが成り立っています。なのでチームの意思統一が出来なければ、うまく進んでいきません。薬を出さないという大前提を職員も理解してくれていて、受診してくださる方もこのことを受け入れてもらってこそ、チームとしての運営が成り立っていきます。クリニックではどうしても医者が目立ってしまいますが、実は医者だけではどうにもならないというのが実情なのです。医者はあくまでも手助けをするだけで、実際に治すのは患者さん自身なのですから。


 スポーツの世界も、まさしくチームワークが勝負のカギを握ると言っても過言ではありません。野球にしてもサッカーにしても先発メンバーだけでは勝利を掴むことは難しいのです。バスケットに至っては、6、7、8番目の選手が非常に重要で、そこにいい選手がいるチームが強いチームだと言われています。マネージャーの存在も非常に大きいのですが、決してそこにスポットライトが当たることはありません。縁の下の力持ちですね。誰一人欠けてもチームは成立しません。スポーツの世界はいわば社会の縮図という感じでしょうか。


 これから「よしもと小児科」というチームはどういう方向へ進んでいくのでしょうか。ここまでは何とかやってきましたが、さらにレベルの高い医療を目指すために何が必要なのか、ここらあたりでゆっくり考えてみたいと思っています。抗生剤をはじめとする不要な薬を出さない、ワクチンを推奨するという当初の目標は少しずつ達成できてきたのかなと思います。この考えをどうしたら広めていけるのか、そこがこれからの問題ではないかなと思います。一人で頑張っていても限界があり、他の医療機関を巻き込んでいくことができないものかと。小児科だけでなく、耳鼻科の先生にも是非とも不要な薬を出さないということを考えていただきたいと思います。幸い、耳鼻科の先生との研究会も立ち上がりましたので、これからは患者の奪い合いではなくて、いかに力を合わせて子ども達の病気と向き合っていくか。これも立派なチーム医療になるのではないでしょうか。まだ夢物語ではありますが、このようなチームワークとネットワークで子ども達の治療が出来ればいいなというのが夢です。



【2015年5月】
よしもと小児科 吉本寿美

< 第86話 治験とは第84話 幸せとは >

ページトップへ戻る
Copyright (C) 2012 yoshimoto Pediatrist Clinic, All Right Reserved.