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第174話 たまには立ち止まってみよう

小児科医のつぶやき|第174話 たまには立ち止まってみよう

 早いもので今年もあと3ヶ月となりました。子どもの頃は1年が経過するのが遅いなあ〜と感じていましたが、最近は年を重ねる毎に1年が経つのがとても早く感じるようになりました。毎日バタバタとしているのもあるからでしょうか。何をするでもないのに、あっという間に1週間が終わっているように感じるようになりました。    


 最近は大人だけでなく、子どもたちもなんだか忙しくなってきたように思います。以前に比べたらいろんな習い事に通っている子どもが増えてきたように感じます。サッカーを習っているちびっ子も以前に比べると明らかに増加しました。Jリーグの影響もあるのかなと思いますが、運動する事は非常にいい事だと思います。他にも野球少年やスイミングスクールに通っている子どもたちも当院を受診します。運動は健康的にもお勧めですし、きちんと挨拶をやってくれるようにもなります。そこでは恐らく先輩後輩の上下関係も学ぶことになり、その事が将来社会に出てからきっと役に立つでしょう。    


 そして中学生になれば、学習塾に通う人も多くなってきます。自分の子どもたちもそうでしたが、中学生は芸能人ばりに分刻みで行動しているように思います。ほとんどの生徒さんが通る道だから仕方ないとは思いますが、自分たちが学生時代にはなかった光景が広がっています。夜も塾の灯りは遅くまで明るく点灯しています。その後に帰宅して食事となりますので、疲労が蓄積しているのは間違い無いと思います。なかなか辞めることも出来ないと思いますので、どうか身体を壊さないように頑張ってと願うばかりです。  


 そんな事が影響しているのか、最近は腹痛や頭痛などを訴えて受診されるお子さんが明らかに増えてきました。殆どのお子さんが、すごく元気そうで食事もきちんと取れています。なのに、痛みを訴えるというケースによく遭遇します。恐らく殆どのケースが、きちんと治療をしないといけない病気ではないように思います。いろいろ話を聞いてみると、みんなちょっと頑張りすぎているように感じます。なかなか休むっていうのは難しいようです。ところが、健康というのは「心身ともに健康な状態」ですので、心が病んでしまっては本当の健康ではないように思います。    


 では、どうすればいいのか。一番は頑張り過ぎないことです。育児だって、頑張りすぎたらお母さんは心身共に参ってしまいます。育児の相談で受診されたお母さんには、「育児は長丁場ですから頑張りすぎたらダメですよ」ってよく話をします。そこで涙ぐまれるお母さん方も結構多いようです。おそらく、お母さん方は一生懸命頑張っていらっしゃるのだと思います。最初はどうしたらいいか分からないので仕方ないのかも知れませんが、育児を長続きさせるためには言葉は悪いですが「適当にやる」というのも大事かなと思います。これは育児を適当にやるという意味ではなく、肩の力を抜いてやってくださいということです。息詰まった時には、たまには祖父母の力などを借りて息抜きをすることもいいかも知れません。    


 自分もこれまでのことを振り返ると、やや突っ走ってきたように思います。週末もじっとしている事が不安で、何かと動き回っていたように思います。しかし、以前にように体力的に週明けからフル回転という状況ではなくなってきたように感じています。最近は、時には立ち止まってみるのも大事じゃないかなと思うようになりました。「忙しい」という漢字は「心を亡くす」という字になります。心を亡くしてはどうにもなりません。そのためにも肩の力を抜いて、たまには立ち止まってみることも大事なのかも知れませんね。    



【令和4年10月】
よしもと小児科 吉本寿美

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