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第50話 ふと、思う事

小児科医のつぶやき|第50話 ふと、思う事

暖かくなって、小児科医にはいい季節になってきました。この時期は外来診療ものんびりしていますので、日頃出来ない事をやっています。例えば本棚を片付けたり、ソファーを綺麗にしたり、診療以外のことをやる事が多くなっています。いざ、片付けが終わるとなんだか清々しくなって非常にいい気持ちになります。窓を開ければ、午前中は涼しい風が吹いてきますので、短い期間ですが僕にとってはこの時期が何とも落ち着く時間です。


暇になってふと感じる事なのですが、診療の内容も以前に比べると少しずつですが変わってきたように思います。以前に比べたらひどい中耳炎の患者さんは少なくなってきたように思います。1つの原因としては、肺炎球菌ワクチンを接種するお子さんが増えたからではないでしょうか。耳漏を起こしてしまうお子さんも時々は診察しますが、この中耳炎は治らないなと思うケースは少なくなったように感じます。他の小児科の先生も同じように感じておられるようです。


その一方で、アレルギーのお子さんは確実に増加しているように感じます。鼻炎や喘息やアトピーのお子さんは年々増加傾向にあるようです。環境も影響しているようですが、他にも食生活や衛生状態の向上など、いろいろ複雑な原因が絡んでいるようです。なかなか診断となると難しいのですが、はっきり言ってあげるのも大事です。最近、喘息のお子さんが少し多いのですが、喘息の診断はこちらも伝える場合は緊張します。しかし不治の病ではないという事も知って欲しいものです。きちんと早めに治療すれば治る時代ですから、かぜを引いた時などに喘鳴を繰り返す場合は喘息ではないかと思った方がよさそうですね。


これから日本は少子化に向かうのは確実で、小児科を受診するお子さんは確実に減っていくでしょう。日本の将来が不安になるのですが、かえってきちんと丁寧な診察が出来るのかも知れません。今の診療が適当という訳ではないのですが、どうしても冬の繁忙期は時間に追われてしまい、説明が上手く出来ないこともあります。一般診療が減少するのとは反対に、ワクチン接種はこれから小児科医の仕事の主流になっていくのではないでしょうか。任意接種のワクチンも定期化されれば、もっと多くの方が接種をされるでしょう。願わくは、おたふくかぜ、水痘、B型肝炎が早く定期化されるといいのですが、先日の答申を見る限りではもう少し先送りされる見込みです。


時間があるので、ついいろいろな事を考えてしまいますが、いつの時代もこどもの笑顔は変わりません。外来でいろんな笑顔を見るたびに、この仕事に就いて良かったなとつくづく思うこの頃です。自分のこどもも大きくなったためなのか、自分が年を取ったせいなのかはわかりませんが、小さいお子さんがすごくかわいく思えるこの頃です。




【2012年6月】
よしもと小児科 吉本寿美

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