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第52話 この頃変だな?

小児科医のつぶやき|第52話 この頃変だな?

今回の大雨は、熊本県下に多くの被害をもたらしました。被害に遭われた方には改めてお悔やみ申し上げますとともに、一刻も早い復興を心からお祈りいたします。当院外来でも床上浸水しましたとか、薬を流されましたとか、隣の家が潰れましたなど、生々しい声を診察中にお聞きました。残念ながら我が家の実家も被害を受けましたが、何とか大事には至らなかったようです。改めて自然の脅威と人間の無力さを感じさせられました。


通常は雨であれば、受診する方は少なくなるのですが、今年は意外と雨にもかかわらず多くの方が受診されました。目立ったのは呼吸器疾患でした。梅雨明け以降は落ち着いてきましたが、不思議と今年は手足口病の患者さんが全くいません。昨年あまりにも流行しすぎたからなのでしょうか。あるいは、この天候のせいなのか、はっきりしたことはわかりませんが、いずれにしても例年とは若干様子が違うなというのが最近の印象です。8月の外来はどうなるのでしょうか。猛暑という予報が出ていますので、熱中症にはくれぐれもご注意ください。部屋の中にいれば大丈夫という訳ではありませんので、水分補給はこまめにしましょう。


最近の外来における診察風景も変というか、以前に比べたら様変わりしてきたように思います。まず、重篤な中耳炎が減少したように感じます。ワクチンの効果でしょうか。それから百日咳をよく経験するのはなぜでしょうか。減る気配がないのですが、何とかワクチンで防げないのでしょうか。早く対応してほしいと思います。特に成人の方に多くみられます。


変というか、変化することといえば小児科での最近の話題は不活化ポリオワクチンが接種開始になるということではないでしょうか。ところが、いつものようにこのワクチンもワクチン不足が現実問題としてあるようです。年内の安定供給は難しいということがここにきてはっきりしてきました。行政は簡単に接種開始しますとアナウンスしますが、現場ではそう簡単にはいきません。しかも、10月からはインフルエンザワクチンの接種も開始されますので、9月からの対応は少なくとも当院では難しいようです。新型インフルエンザの時のようなパニックにならなければいいのですが。保護者の方には冷静な行動を望むところです。


いろんな変や変化がありますが、自然界にしても、医療業界にしても一喜一憂せず地に足をつけて淡々と事を進めていかなければなりません。ただ、今回のような豪雨被害や他の自然災害だけは起きてほしくないと願うばかりです。大好きな阿蘇の1日も早い復興を応援したいと思います。




【2012年8月】
よしもと小児科 吉本寿美

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