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第6話 インフルエンザワクチン受ける??

小児科医のつぶやき|第6話 インフルエンザワクチン受ける??

少しずつ朝夕は寒くなってきましたね。熊本もお祭りが終わると、本格的な秋の到来です。そこで話題になるのが、インフルエンザワクチンを受けるかどうかということです。この時期になるとどうしてもこの質問を多く受けます。。


まず、1歳未満のお子さんについては、接種量が0.1mlと少ないため有効性については?という意見が多いようです。もう少し多い量であればいいかもしれません。こちらから積極的には勧めてはいませんが、受けても問題はありません。受ける場合は12歳以下のお子さんは2回接種が標準です。今年罹患した場合は1回でもいいのではないか、今年は不要ではないかという意見もありますが、流行する型も変わりますので出来たら今回も2回受けることをお勧めします。1回でも大丈夫という論文は多数ありますが、よりよい効果を求めるならばやはり毎年2回接種ということになるかと思います。


時期については、出来たら11月末までに接種を完了した方がいいでしょう。もちろんその後でも問題はありませんが、抗体が出来るまで2週間ほど必要となります。最近は流行が遅くなってきましたが、12月に流行すると仮定すれば11月までの接種が理想です。また、抗体は6ヶ月程持続すると言われていますので、10月に接種しても4月頃までは大丈夫かと思います。


接種したら軽く済むかという質問もよく受けます。何をもって軽いと判断するかということですが、確かに脳炎などを起こした患者さんを追跡調査すると、ワクチンを接種されていない方が多いので、そういう意味では軽く済むということかもしれません。ちなみに、我が家でも今年子供達がA型に罹ってしまいました。しかし、解熱剤のみの治療で2日程で治りましたので、ワクチン接種のお陰で軽く済んだということなのかも知れません。このように「接種してもかかるからね~」という事実もあり、残念ながらインフルエンザワクチンに100%の予防効果はありません。


ではなぜ多くの人が接種するのでしょうか?分かりやすい考え方としては、ワクチンを家のカギに例えればわかりやすいと思います。家に泥棒が入らないようにするには、家にカギをかけなくてはなりません。でも、どんなにカギをかけても泥棒が入る事もあるかもしれません。結局、泥棒を防ぐのを予防するにはやはり家にカギをかけるしかありません。同じようにインフルエンザワクチンを接種するのも、罹るのを防ぐために行うのですが、残念ながら罹ることもあるという事なのです。ワクチンだけでなく、「手荒い、うがい、人ごみを避ける」ということも罹らないようにするには重要であるのはいうまでもありませんが。


ここで述べた事が全て正しい事ではないかも知れませんが、皆さんのワクチン接種の判断材料になれば幸いです。また、接種する場合は値段が安いところではなく、出来るだけかかりつけの先生のところで接種してもらいましょう。

 

【2008年10月】
よしもと小児科 吉本寿美

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