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第20話 今年はどうだったのかな

小児科医のつぶやき|第20話 今年はどうだったのかな

早いもので、今年も師走になりました。さすがに今年はどこの小児科も例年以上に忙しいようです。寒くなってくると病気も増えるのですが、今年は既に新型インフルエンザが流行していることもあるからではないでしょうか。そろそろ落ち着いて欲しいと願うのは僕だけではないと思いますが。


さて、今年を振り返ると1年中ワクチンの問題に振り回された印象があります。まずはHibワクチンの問題です。もう、忘れていらっしゃる方も多いかもしれませんが、大切なワクチンです。なのに、ワクチンが不足している状況が改善されず、ここ数ヶ月は毎月3本の供給しかありません。当院で予約された方は既に250名以上で、これでは新規に予約を受ける事が出来ません。来年夏以降は供給量が増加すると言われていますが、果たしてどうなるのかわかりません。


その次は日本脳炎ワクチンの問題です。新ワクチンの発売によって、1期の同意書は不要になりました。それはよかったのですが、2期については旧ワクチンのみの接種で同意書が必要で、問診票には「新」という記載をしなくてはなりません。2期に新ワクチンを使えないのは、治験をしていないからという理由のようです。何ともお粗末です。日本脳炎ワクチンについては、この数年間で保護者にも様々な誤解が生じています。受けなくていいとか、有料であるとか。受けずに7歳半を超えてしまったお子さんも多いようです。このような問題をどう解決するのか、方向性が示されていません。


そして、最後が今回の新型インフルエンザワクチンの問題です。報道されているように予約が出来るなんていうのは全くの誤りです。予約しろと言われれば出来ますが、何百人待ちという状況になるのは明らかです。既に多くの小児科で500人とか800人とかの予約をされているとのこと。現実的ではないように思います。全部終わってしまう頃には、インフルエンザの患者はいなくなってしまうという事にならないでしょうか。最初から、行政は全てこちら現場へ丸投げで、苦情だけがクリニックへ届きます。果ては「もう、そっちには診察には行かない」と捨て台詞もありました。やれるだけの努力はしているつもりですが、どうしてそこまで言われなくてはいけないのだろうかということを、スタッフも嫌という程聞かされました。悲しくなってきますね。


更に来年には肺炎球菌ワクチンや、子宮頚癌ワクチンも発売されます。今年と同じような混乱が起きない事を願うばかりですが、現場の状況をわからないお役人が決める事なので、あまり期待は出来ないようにも感じます。しかし、小児科医こそがこども達の健康を守ってあげなくてはいけないので、悩みは尽きませんが来年も予防接種には力を入れていきたいと思います。


来年こそはいい年でありますようにと願うばかりです。良いお年をお迎え下さい。


【2009年12月】
よしもと小児科 吉本寿美

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