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第173話 医療と政治

小児科医のつぶやき|第173話 医療と政治

 暑かった夏も少しずつ涼しくなって、いよいよ9月に突入しました。まだまだコロナの流行は収束とは言えず油断できる状況にはありませんが、少しずつ普段の生活を送っていけたらいいなと思います。過度に恐れる必要はありません。小児の場合はコロナよりこれから流行すると予想されているインフルエンザの方が個人的には厄介な印象があります。インフルエンザに罹患すると、その後に脳炎や肺炎などを合併するケースが増えてきます。やはりインフルエンザもワクチンで予防するのが一番ですね。  


 ワクチンといえば、菊池郡市2市2町は生後6ヶ月のお子さんから公的補助が出ますので、他の地域に比べたらインフルエンザの接種率は高いのではないでしょうか。自己負担金額については、毎年医師会と行政の話し合いによって決められるようです。インフルエンザ以外のワクチンの金額も同様です。ほとんどの医師が医師会という団体に加入していて、ワクチンや健診業務を医師会から委託されておこなっています。医師会は他にもたくさんの業務がありますが、実は国会議員や県会議員をされている小児科医もいらっしゃいます。  


 自分自身、以前は政治についての興味というのは全くありませんでした。むしろ敬遠していたようにも思います。ところがこの仕事をやっていく上で、どうしても政治力が必要になってくるというのがわかってきました。一人の力ではどうしようもないという現実を突きつけられました。例えば子宮頸がんワクチンにしても、国会議員の方が接種に向けてかなり頑張られたと聞いています。我々の意見が直接国に届くのはなかなか難しいので、最後は政治の力も借りなければうまく事は運ばないようです。政治の世界はわからならいこともたくさんありますし、最近では残念な報道も数多くありますので、皆さんにとっての印象というのはあまり良くはないのではないのかも知れません。ただ政治抜きではどうにもこうにも事が運ばないこともありますので、これからも少しずつですが注目していこうと思います。


 残念ながら子どもたちには投票権がありませんので、ついつい子どもたちは疎かに扱われているようにも感じます。高齢者が優遇されているように感じてしまいます。ただ、それでは日本の未来はないのではないでしょうか。これからの日本を支えるのは間違いなく子どもたちで、そこに投資しなければ日本は衰退の一致を辿っていってしまうようにも思います。では、どうしたらいいでしょうか。先ずは無駄だと思っても、投票権のある方は投票に行って自分の意思を示す事です。先日の参議院議員選挙も、投票率はさほど高いものではありませんでした。誰が当選しても一緒だと思っておられる方も多いと思います。確かにそうかもしれませんが、自分達の意見を代弁してくれる人を選ぶ事によって何かが変わっていくと思います。たかが1票ですが、されど1票なのです。  


 来月は菊陽町の町長選挙も控えており、来年には県知事選挙なども控えています。以前、おたふく風邪ワクチンの補助を出して欲しいと現町長にお願いした事があります。ですが、「周りの状況を見て判断します」というやる気のない返事しか返ってきませんでした。結局、いまだに我が町は補助がありません。なんで、町独自でやらないのかなと思います。今度新しい町長になった際にはもう一度お願いしてみるつもりです。どんな時でもトップの責任は非常に重いものだと思いますし、医療も結局政治抜きではどうしようもないこともあるんだなと思った次第です。我々の生活にも直結しますので、少しでも政治に興味を持ってもらえたらと思います。先ずは一人一人が投票に行って意思を示しましょう。    



【令和4年9月】
よしもと小児科 吉本寿美

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