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第105話 がんばろう熊本

小児科医のつぶやき|第105話 がんばろう熊本


   あけましておめでとうございます。


   今年もどうぞ宜しくお願い致します。


 昨年の今頃は、まさか熊本があんな地震に見舞われるとは誰が予想したでしょうか。多くの場所が、それまでの風景とは一変しました。それまでの生活が変わってしまった方も多いのではないかと思います。残念ながら、当院から離れていかれたお子さんも少なくはないようです。避難所にいるかかりつけのお子さんの姿をテレビの画面を通して見た時には、さすがに悲しくなってきました。元気だというのが確認できたのは嬉しかったのですが、南阿蘇や西原に住んでいる方は今も想像を絶するような生活をされている方も少なくはないようです。


 それでも俵山トンネルが昨年末に開通して、南阿蘇への交通アクセスが再び確保されました。また、阿蘇大橋もなんとか今年中にはという話も聞いていますので、そうなると再び阿蘇にも賑わいが戻ってくることでしょう。当院を受診することが出来なかったお子さんも再び来てくれるのではないかと思っています。少しずつではありますが、復興が進んでくれるのはありがたいことですね。自分の原点はいつも阿蘇にあると思っています。仕事のことで悩んだりしたら、元気をもらいに阿蘇へふらっと一人旅をしていましたので、当たり前に行けるようになることを願ってやみません。


 診療面では、当院は今年も予防接種の強化と不要な処方の削減の2本柱が中心になっていくものと思います。昨年から予防接種では麻疹風疹ワクチンと日本脳炎ワクチンの不足問題が解消されないまま(化血研の問題とはあまり関係ありませんよ)、年を越してしまいました。国は足りているというのですが、実際の現場では全くと言っていいほどワクチンが回ってきませんでした。接種予定のお子さんには本当にご迷惑をおかけして申し訳ないと思っております。こちらからも自治体を通して県や国への働きかけをやっておりますが、まだ状況が改善されていないようです。一刻も早くこの状態が解決されることを願いたいものです。


 また不要な処方の削減(特に抗生剤)については、開院以来から続けていますが今年も更に推し進めていくつもりです。国も昨年でしたか抗生剤処方を減らすということを宣言しましたが、実際にはまだまだ多くの不要な抗生剤が処方されているのが現実です。しかも未だに「抗生剤を処方する病院=いい病院」という考えが浸透しているように感じます。受診された方の処方箋をみて、最近は不要な薬については「これは不要です」と言うようにしています。処方された先生には失礼かとは思いますが、子ども達の為には何がいいかということを考えれば、当然のことではないかと思います。なので、薬が好きな方は当院の受診は控えられた方がいいかと思います。最低限の処方しかやならいクリニックなので。


 さて、とりとめもないことを書いてきましたが、今年はこれからどんなことが待っているのでしょうか。今年こそ平穏な日常を取り戻せたらいいな、昨年以上に悪いことはもうないだろうと思っています。これからの熊本の輝く未来のため、またそれを支えていく熊本の子ども達のため、少しでも自分が何かしらのお手伝いができればと思っています。目の前のお子さんをしっかり診察して、必要最低限の処方と安心していただける医療を提供できるように今年も一歩一歩進んでいきたいと思います。まだ未熟な点もあるかとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。



【2017年 1 月】
よしもと小児科 吉本寿美

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