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第128話 今年の総括

小児科医のつぶやき|第128話 今年の総括

 早いものでもう12月になりました。11月は比較的暖かい日が続いていましたので、まだ12月という気分ではありませんね。例年だと大流行しているRSウイルス感染症も既に流行は終わったようで、小児科は例年とは違う年末を迎えています。皆さんの感心はインフルエンザがいつから流行するのかということではないかと思いますが、恐らく当院周辺では年内の流行はないのではないかなと思っています。寒さと乾燥という気象条件が揃わないと流行しませんので、例年通り年明けではないでしょうか。


 で、そのインフルエンザワクチンが今年も足りないという報道がされています。関東ではやや流行しているということもあり、予約を断っている施設も少なくないそうです。ですが、厚労省は足りているというし、全くどうなっているのでしょうか。恐らく、いろいろな情報を総合するとワクチン自体は十分にあるようです。ただ、検定の問題などで出荷が遅れていたりして年末になって一気に多くのワクチンが出荷される予定になっているとか。でも、必要なのは年末ではなくて今なのです。ここで需要と供給のバランスが完全に崩れて、足りないということになっているようです。ですから、今は足りないけど全体としてみれば足りているということになるので、不足はないという報道になっているようです。毎年同じことの繰り返しですから、何とか改善して欲しいですね。


 他にもワクチン問題は今年も相変わらず起こってしまいました。沖縄での麻疹流行をきっかけに、麻疹ワクチンが不足するという事態。オリンピックを控えている国の危機管理能力に、不安を感じられずにはいられませんでした。そして、現在は風疹ワクチンとB型肝炎ワクチンが不足しています。こうも毎年ワクチン問題が出てくるのに、なぜ国は手を打とうとしないのか。甚だ疑問に思っているのは僕だけではないと思います。最終的に被害を被るのは、子供たちやワクチンを必要としている国民なのです。もうしばらく不足状態が続くようですので、今後はワクチンの問題が起きないように一刻も早い解決策を講じて欲しいものです。


 ワクチン以外では、当院についてはあまり変わったことはなかったように思います。残念ながら非常勤の看護師さんがご自宅の都合により退職されました。仕事の出来る方でしたので残念でしたが、都合がつけばお手伝いに来てくれていますので助かっています。病気の流行も例年通りで、この病気が流行ったというのはなかったように思います。ただ、温暖化の影響か昔ほどの季節感はなくなってくたようにも思います。例えば胃腸炎は冬場に多い印象がありましたが、今は年中流行しているように思います。ですが、重症のお子さんはほとんどみなくなりました。また、重症の感染症についてもワクチンの効果でかなり減ってきたように感じます。そのためか、一般外来の受診者数も年々減っている印象があります。その代わりに、心の悩みの問題を抱えるお子さんは確実に増えていますし、発達障がいのお子さんも診断されるケースが多くなったように思います。この傾向というのは今後も変わらないのではないでしょうか。    


 今年1年、大きな事故もなく過ごせたのはスタッフをはじめ、関係者の皆様のおかげだと感謝しております。そして来年こそはワクチン問題が解決してくれることを切に願います。今年は大丈夫だろうと思っても、毎年何か問題が起きてしまい、いつも頭を悩ませていますので、来年こそは。そして、多くの子供たちの笑顔に出会えることを願っています。


 それでは少し早いですが、どうぞ良いお年をお迎えください。来年もスタッフ一同宜しくお願い致します。



【2018年 12 月】
よしもと小児科 吉本寿美

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