菊陽町のよしもと小児科です

お問い合わせ・ご相談はお気軽にどうぞ
Tel.096-233-2520
トップページ >  第138話 スポーツを支援する理由

第138話 スポーツを支援する理由

小児科医のつぶやき|第138話 スポーツを支援する理由

 いよいよ新生ヴォルターズが始動しました。今シーズンはメンバーがガラリと変わり、どうなるのか開幕前は不安視されていました。開幕戦こそ負けはしましたが、今シーズンは必ずやB1へ昇格してくれるものと信じております。しばらくは週末が忙しくなりそうです。一方のサッカーJ3ロアッソ熊本は出だしこそつまずきましたが、現在昇格争いの真っ只中にいます。上位2チームまでがJ2昇格の権利を得ますので、何とか1シーズンでの復帰をと願わずにはいられません。  


 うちのクリニックに来られた方はご存知かと思いますが、院内には両チームのフラッグ、ユニホーム、ポスターが掲示されています。そして時には試合観戦チケットをプレゼントしたりすることもあります。ではいったいなぜ小児科医がプロスポーツを応援するようになったのでしょうか。まずロアッソを応援するきっかけは、たまたま試合を観たのが始まりでした。当時はJFLというカテゴリーにいた当時の「ロッソ熊本」の試合を友人に誘われて見に行きました。失礼な話ですが、下のカテゴリーだからたいしたことはないだろうと思っていたのですが、実際のプレーを見て思った以上に凄いプレーを見せられてびっくりしました。その後ロアッソは昇格も降格も経験しましたが、現在首位争いを繰り広げています。きっと最後には1シーズンでのJ2復帰を果たしてくれると思っています。      


 一方のヴォルターズについては、たまたまチーム設立前に湯之上社長を紹介されたのが始まりでした。当時は次女がバスケをやっていましたので、少しはルールも理解していました。そこで、今度熊本にプロバスケチームを作りたいという話を湯之上社長からお聞きしました。中学校の教師という安定した地位を捨ててまで、「今の子供たちには生き生きとした眼差しがないという現状を何とかしたい」という社長の熱い思いに心を動かされました。確かに子供たちは疲れ切っているなと感じていましたので、何かお手伝いできればという思いで支援を始めるようになりました。    


 サッカーを応援に行くと、たまには普段は見られないような有名選手、例えばキングカズのプレーを見ることも出来ます。現在はサッカーをやっているお子さんも増えましたので、外来で会話が弾むこともあります。以外とロアッソを応援されている保護者の方も多く、会場で見かけることもあります。また、バスケットはサッカーと違って選手との距離も近く、展開が早いのでドキドキ感を味わうことが出来ます。震災後はマスコミに取り上げられることも多くなりましたので、以前のようながらんとした会場でヴォルターズを応援することもなくなりました。現在ではB2屈指の集客チームになりましたので、昔の状況を知る者としては嬉しい限りです。    


 最近の子ども達は、見ていてどうも疲れ切っているように思えてなりません。また、遊ぶ場所も制限されてしまっていますし、不審者も多いため簡単に外で遊ぶことも出来ないようです。その点、スタジアムやアリーナは安全ですし大声で応援すればストレス発散にもなります。サッカーやバスケをやっている子ども達は、一流のプレーを見て勉強になることもあるでしょう。親子で応援にいけば、家庭での会話も弾むことでしょう。応援に来ている子ども達は、とても元気にみえます。そして勝てばみんなが笑顔になります。      


 以前、弱いのになんで応援するのと言われたこともありますが、弱いからこそ応援するのです。強い時は誰でも応援しますが、弱い時は応援する人は少なくなってしまいます。子どもの病気を治すのが我々小児科医の役割ではありますが、最近の子ども達の病気は多様化しています。心の病を抱えているお子さんも少なくはありません。そのような子ども達がスポーツを通じて元気になってくれたら、これ以上の喜びはありません。これこそがスポーツを支援する理由なのです。でも、一番元気をもらっているのは実は自分自身なのかもしれませんね。行ったことのない方は、ぜひ会場に足を運んでみましょう。楽しい週末が待っていますよ。



【令和元年 10月】
よしもと小児科 吉本寿美

<第139話 万一に備えて 第137話 百日咳ついて >

ページトップへ戻る
Copyright (C) 2012 yoshimoto Pediatrist Clinic, All Right Reserved.