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第113話 天気と病気の関係

小児科医のつぶやき|第113話 天気と病気の関係

 今年はいつも以上に暑さが厳しかったように感じます。僕らが小さい頃は(といっても数十年前ですが)、このように暑くはなかったと記憶しています。まずもって、扇風機は使っていましたがエアコンは全く不要であったように思います。以前は30℃を越えれば凄いなと思っていましたが、最近では30℃超えが当たり前でさほどびっくりすることもなくなりました。果たして今後もこの傾向は続いていくのでしょうか。やはり、地球温暖化が影響しているのであれば、ますます夏の暑さは厳しいものになると予想されます。今や、エアコンなしの生活など考えられませんが、エアコンもきちんと掃除しないと埃をまき散らしてアレルギー反応が出てきますから気をつけてください。        


 ここまで暑いと、最近は大人も子供も以前に比べて明らかに熱中症になる人が増えてきたるように思います。スポーツをやっている人以外にも、炎天下での作業をしている時や、あるいは睡眠中になる方もいらっしゃるとか。なので、十分な水分補給は絶対に必要となります。以前は部活中に水を飲むのは禁止ということがありましたが(それでも昔は耐えていました)、今はそんなことを言っていたら逆に命の危険にさらされますので、水分と塩分補給を欠かさないようにというのは当たり前になっています。


 また、今年はインフルエンザもなぜか6月まで流行が見られました。沖縄では例年夏に流行するというのは以前から知られていましたから、ここまで暑さが厳しくなってくると沖縄以外の地域でも夏にインフルエンザが流行するということにも当たり前になってくるのでしょうか。ただ、夏のインフルエンザはさほど悪化しない印象がありますので、夏風邪と診断している方の中には見逃しているケースが以外と多いのかもしれません。


 それから、今年はRSウイルス感染症の流行が例年より1ヶ月ほど早くなっているようです。全国の統計でも同じようなことが起きているとのことでした。何が原因でそうなっているのかはわかりませんが、RSは秋〜冬の病気という概念を捨てなければいけなくなるのかもしれません。1年中検査を考えなくてはいけないという時代がやってくるのでしょうか。これも天気と全く無縁ではないようも思いますが、本当のところはどうなのでしょうか。今後の動向に注意しておく必要があります。


 あと、これからの季節で問題となってくるのが喘息です。台風の時は気圧の変化が影響しているのか、喘息発作を起こすお子さんが増えてきます。そして春や秋には日中は暑いものの、朝夕はひんやりしますのでこのような天気の時も喘息発作を起こすお子さんが非常に増えてきます。それで、当院はもともと喘息の体質があるお子さんにはこの時期には事前の予防内服をお勧めしています。なかなか元気な時に薬を飲むというのは難しいことではありますが、喘息の場合は発作が起きてしまえば、最悪の場合入院となるケースもありますので、天気をみながら対処の方法を考えたほうがいいようです。


 溶連菌にしても、以前は夏に多いような印象があったのですが、最近は年中患者さんがいます。検査キットの進歩も関係しているのだろうとは思いますが、ここ最近の温暖化も少なからず影響しているのであれば、困ったことです。


 こうしてみると、たかが天気とはいえ病気との関連がいろいろとあるのではないかというのを、改めて感じました。今後も温暖化が進めば、さらに状況は変化して病気の流行状況もそれに伴って変化していくものと思われます。こればかりはどうすることもできませんので、上手に付き合っていくしかないのかなとも思います。その前に、地球温暖化をなんとかしなくてはいけませんが、なかなか難しい時代になってきたと感じた今年の夏でした。



【2017年 9 月】
よしもと小児科 吉本寿美

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