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第44話 今年を振り返って

小児科医のつぶやき|第44話 今年を振り返って

早いもので今年も残すところ1ケ月を切りました。いろいろなことがありましたが、必ず年末は来るものです。今年も1年を振り返ってみたいと思います。
 何といっても、今年は東北地方大震災を忘れる事が出来ません。子供が宮崎で開催されたバスケットの九州大会に出場するため帯同していましたので、3月11日は病院を休診にしていました。宮崎でも津波警報が出され、何が起きたのかなと思っていました。テレビに映し出された津波の映像は想像を絶するもので、その後の原子力発電所の事故は皆さんご承知の通りです。当院でも今まで使っていた薬が使えない、検査が出来ないなどの思いがけない影響が出ました。改めて自然の脅威を思い知らされました。1日も早い復興を願うばかりです。


今年の夏は手足口病が大流行しました。例年に比べて、今年は本当に多くのお子さんが罹患されました。幸い、脳炎の発症は熊本ではなかったようですが、今年は爪が剥げてしまうなどの症状が出たお子さんも多かったようです。但し、今年の夏は昨年のような喘息症状が悪化するお子さんはいませんでした。


ワクチン関係では、同時接種に関する報道が多くありました。どうしてもマスコミが「同時接種で」という見出しを付けますので、不安に思われる保護者の方も多かったように思います。最近になってやっと不安に思われる方も少なくなり、当院では同時接種が主流になってきました。非常に喜ばしいことです。


それと最近では、不活化ポリオの報道が多いようです。そのため、ポリオの接種率が下がっているようで、これは非常に心配な事態です。接種率が下がってくれば、患者発生の恐れが出てきます。生も不活化もどちらも安全なワクチンだと思いますので、どちらでもいいのできちんと接種される事を切望します。ちなみに、不活化ポリオを接種している後輩の先生の病院には九州各地から問い合わせや予約が殺到しているようで、数ケ月待ちの状況だそうです。来年には4種混合ワクチンが発売される予定になっているのですが、いつになるのでしょうか。


11月にはロタウイルス感染症を予防するワクチンが発売されました。しかし、1回接種の料金が1万以上と高額で2回接種する必要があり、年齢制限もありますので、まだ希望者は少ないようです。B型肝炎ワクチンも認知度が低く、まだ接種される方は少ないので、啓蒙活動を進めていく必要がありそうです。ワクチンの問題は来年もいろいろありそうですね。


当院自体はこれといった大きな事故もなく、優秀なスタッフにも支えられ1年間無事に診療することが出来ました。来年も、予防接種を更に積極的に推進し、「発熱のみで抗生剤は出さない」という基本信念を忘れずに信頼される医療を行なっていきたいと思っています。今年1年間ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします。




【2011年12月】
よしもと小児科 吉本寿美

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