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第10話 今さらですが、改めて

小児科医のつぶやき|第10話 今さらですが、改めて

いやいや、小児科医には辛い季節になってきました。インフルエンザの流行が始まりましたね。この時期、発熱すると皆さんが「インフルエンザじゃないのかな?」ということで心配されて受診されます。ところが、胃腸炎やら、アデノウイルス感染やら、突発性発疹やら、高熱を来す疾患は他にも多くありますので、なかなか大変です。インフルエンザの検査は鼻の中に綿棒を入れる検査で、一旦診断されると「タミフル」を飲むかどうか判断をお願いしなくてはなりません。最近はいりませんと言われる方も多くなりました。ここは、色々な考え方があるので難しいですね。最近になり、異常行動とタミフルの因果関係はないとされる結論が出されましたので、安心して内服してもいいのかもしれませんが、インフルエンザ自体で異常行動を起こすこともあるので、何とも悩ましいものです。


罹ってしまうとあれこれ悩む必要があるので、やはり予防する事が大切です。最近はマスクをされて受診される方も多く見受けられるようになりました。これは本当に嬉しいことですね。エチケットとして、今後も広がっていけばいいと思っています。しかし基本は何といっても、「手洗い、うがい」です。昔から言われていて今でもいろんなところで耳にします。わかっているようで、実はこれが一番難しいのかもしれません。みなさんはどうですか?自分は大丈夫、大丈夫と思っていませんか。是非とも外から帰った後などにはご家族で一緒に行って欲しいものです。


インフルエンザもかぜもいわゆる「ウイルス感染」ですから、予防は可能ですし、逆に誰でも感染する危険性があります。「昔から母乳を飲んでいると6ヶ月くらいまでは病気しないと聞いていますが」と言われる方が今でも多いようです。確かに、ご年配のかたにそう言われる方が多いようですが、残念ながらそうではありません。母乳を飲んでいる1ヶ月のお子さんでも、かぜやインフルエンザには罹ってしまいますし、最悪の場合入院しなくてはなりません。暖かくなるまで小さいお子さんは、極力人込みを避けるのも予防として大事です。デパートやスーパーで赤ちゃんを抱っこして出かけられているご家族を見るたびに、病気をもらわなければいいのにとついつい思ってしまいます。


誰でも病気になってしまうのは、仕方ないことです。けれども病気を予防することは可能です。病気にならないようにするためのワクチン接種や、成人の方の検診などもこれからますます重要になってくるでしょうし、そうすることで医療費の削減が出来ていくと思います。事実、Hibワクチン接種は医療費の抑制につながるという調査結果が出ています。子供さんが病気すれば、ご両親は仕事を休まなくてはならなくなり、社会的には大きな損失なのです。まずは、この時期はインフルエンザやかぜなどにならないように、しっかり「手洗い、うがい」をしましょう。でないと、罹ってしまってから後悔しても遅いですよ。


【2009年2月】
よしもと小児科 吉本寿美

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