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第201話 新年に寄せて

小児科医のつぶやき|第201話 新年に寄せて

 あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。今年は4日土曜日を休診にした関係で、6日月曜日からの診療開始となります。ご迷惑をおかけしますが、どうぞご了承ください。    


 さて年末はインフルエンザが猛威をふるい、おそらく年明けてもしばらくはこの流れは変わらないように思います。開業以来初めてではないかというくらいの爆発的な流行状況にスタッフ一同びっくりしています。幸い小児のコロナウイルス感染症は今のところ流行の兆しを見せていませんので、その点ではちょっと安心しております。ただ油断するとまた感染拡大する可能性もありますので、引き続き感染予防には注意が必要です。


 昨年をちょっと振り返ってみると、やっとコロナ以前のような普通の日常が戻ってきたように感じました。ただコロナ以降、子どもの病気の流行については以前のような季節感がなくなってきたという印象があります。これまでだと夏以降に流行するR Sウイルス感染症は、昨年夏以降の流行がありませんでした。それに代わって流行したのがマイコプラズマ感染症で、こちらについては8年ぶりの大流行となりました。困ったことに最近はマクロライド系の抗生剤が効かない症例も増加しています。この傾向は今後も続くのではないかと思いますので、改めて抗生剤の適正使用の重要性を感じています。  


 また夏風邪といわれる手足口病やヘルパンギーナが先月でも結構散見されました。いつまでも夏のような気候が続いていたのが原因ではないかと思っていますが、最近は季節関係なく一年中患者さんがいらっしゃるようにも感じます。これももしかしたら地球温暖化の影響なのでしょうか。そうすると今後も1年中患者さんがいるということになりますので、これまでの「夏風邪」という呼び方は当てはまらなくなりそうです。果たして今年の流行はどうなるでしょうか。    


 それから毎年問題となって頭をかかえるワクチン問題ですが、現在M Rワクチンの供給不足が続いています。武田のM Rワクチンが3月頃まで製造停止となっており、その影響がもろに出ています。1日も早い生産再開が望まれています。特に年度末から年度初めについては接種希望者が増加しますので、一気にワクチン不足が露呈される可能性もあります。以前から言っていますが、やはり日本のワクチン行政は依然としてお粗末だと言わざるをえません。もう少し国が先頭に立って引っ張っていってくれなければ、今後もワクチン問題がきっと起こるのではないかと危惧しております。どうか子どもたちに迷惑がかからないように万全を期して欲しいと思います。  


 自分が知り得る範囲では、今年は小児科領域で何かが大きく変わるような動きはなさそうです。変わるといえば今後予定されているのは5歳児検診なのですが、こちらについてはどうやっていくのか打ち合わせの段階です。ただどこの自治体でも行う方向で話が進められていますので、そう遅くない時期には始まっていくものと思われます。この検診の特徴としては、集団における立ち振る舞いを評価して、社会的な発達の状況を把握するということのようです。      


 今年は小児科医が忙しくない一年になればいいのですが、どうも年明けもインフルエンザの流行で慌ただしい巳年の始まりになりそうな予感がします。不安要素も多いのですが、これからもやれる範囲で頑張っていきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。



【令和7年1月】
よしもと小児科 吉本寿美

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