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第186話 笑顔の力

小児科医のつぶやき|第186話 笑顔の力

 お盆明けてから少し患者さんも減ってゆっくり出来るかと思ったのも束の間。夏休み明けて学校が始まった途端、インフルエンザの流行が始まり、さらにはコロナも並行して流行していて、我々小児科医にとっては辛い夏の終わりになりました。例年この時期の小児科外来はのんびりしていることが多いので、忙しくなる前に色々と準備をする時期なのですが、なかなかそれも出来ずにいます。今までにこのような状況を経験したことはなく、これから少しずつ寒くなっていくのに不安ではありますが、先のことはあまり考えずに今を乗り切るしかないように思います。    


 そして忙しくなってくると、どうしても表情にも余裕がなくなってきます。その結果、次第に笑顔も消えるようになってしまいます。実は笑顔には人を幸せにする不思議な力があるもので、怖そうな顔をした男の方でも赤ちゃんの笑顔を見ると笑顔になります。大人も一緒で、笑顔というのは周りの方も幸せにする働きがありますから、怒った顔よりは笑顔の方がいいですよね。


 しかし、人生は山あり谷ありで笑顔が出ない時は誰にだってあります。物事が上手くいかないことはいつだって起きてしまいます。ただ、それが一生続くことは絶対ありませんので、しばらく上手くいくようになるまで待てばいいのです。病気だってほとんどの病気は時間が経てば良くなっていくものですから、それと同じで今は我慢の時だと思って待つのも大事かなと思います。  


 では笑顔が出ない時はどう対処すればいいのか。特に成人の方は仕事をする上で、怖い顔をして働くことはあまり好ましいことではないので、出来るだけ笑顔で働いた方が相手にも好印象を与えます。忙しかったり、体力的にきつかったりすると、笑顔を出すことは難しいのですが、そんな時こそ「自分は頑張っているぞ」と自分で自分を褒めることです。大人になればなかなか頑張っていても褒めてもらうことはないと思います。であれば、自分は偉いぞ〜と自分勝手に自分を褒めてしまえば、何となくニコッとなるものです。本当は他人から褒められた方がもっと効果があるのでしょうけど。    


 良いことも悪いことも全て自分が引き寄せていることだと言われます。悪いことも何らかの原因があると思いますので、そこを改善しさえすれば良い方向に流れが変わっていくのではないでしょうか。つい悪いことが起こってしまうと気持ち的に焦ってしまいますが、少しだけ待てばいいのではないでしょうか。その間はどうしても笑顔を出すことは難しいと思いますが、無理に笑顔になる必要もないと思います。


 自分も笑顔で頑張りましょうとよく言いますが、それは簡単なようで実はとても難しいことだと思います。頭では理解していても、実際行動に移すとなると容易く出来るものではありません。ただ、ブスッとして挨拶するよりも笑顔で挨拶した方がいいに決まっていますので、マスクで表情が隠れているとはいえ笑顔で対応することだけは、これからも心がけていきたいと思います。人を幸せにすると、きっと自分にも跳ね返ってきて幸せになるはずですから。      



【令和5年10月】
よしもと小児科 吉本寿美

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