第124話 備えあれば
このたびの西日本豪雨災害で被害に遭われたみなさまにおかれましては、心よりお見舞い申し上げます。2年前熊本地震で被災地となった経験から、とても他人事とは思えませんでした。水道が出ない、道路が遮断されたなど、同じ様な経験をしましたので、被災地はまだ先の見えない頃ではないかと思いますが、少しずつ復興に向かって無理をせず進んでいって欲しいと思います。地震も豪雨も想定外の出来事でしたが、今後は日本のどこの地域でもこのようなことが起きる可能性がありますので、まさかの事態に備えて日頃から準備を行うことがこれからは必要になってくると思います。
では、一体何をすればいいのか。熊本地震でもそうでしたが、やはり水の問題が一番ではないかと思います。そのためには日頃よりある程度は水の備蓄をやっておくことが非常に重要となってくると思います。地震後は水を買おうと思っても買うことが出来ませんでしたし、福岡まで行っても買えずという始末。おまけに自宅で使えるような貯水タンクも売り切れでした。水さえあれば何とか急場はしのげますから、現在自宅ではペットボトルと貯水タンクの水を切らさないようにしています。水さえあれば、数日間は何とか乗り切ることができそうです。
また、簡単な非常食も数日分程度を準備しておいたらいいのではないかと思います。最近の非常食は味もよく、賞味期限が近くなれば食べてしまって新たに購入すればいいのです。災害後はすぐに非常食が手に入る保証もありませんので、数日分を確保していれば急場をしのげるのではないかと思います。思いがけない災害は防ぎようがありませんので、それに対しての備えを日頃からやっておいた方がよさそうですね。
そして病気についても同じことが言えそうです。病気にかかる前に、ワクチン接種などでかからないように備えることが大事です。「ワクチンに勝る予防はなし」と昔からいいますが、まさにその通りだと実感します。今年沖縄で流行した「はしか」についても、ワクチンを2回接種するという備えがあれば、流行の拡大をもっと防ぐことが出来たのではないかと思います。どうも日本での相変わらずの後手後手の対応が、病気の流行に拍車をかけているように感じてなりません。2年後のオリンピックの時に流行したらという不安がよぎります。今回の件でも、そのあおりを受けて現在でも麻疹ワクチンが不足しているという非常事態を、国はどう捉えているのでしょうか。結局被害を被るのは、本当に接種が必要な子供たちなのです。今回のことを十分反省して、国は今後の対応を十分考えて欲しいと思います。
こうして考えてみると、災害にしても病気にしてもいざ直面するとどうしていいのかわからないというのを、誰もがこれまでに幾度も経験してきたと思います。そうなる前に日頃からの備えをやっておくというのは、まず災害についてはこれからどこに住んでいても必要となる感じがします。また、病気については若い方のガンの発症もよく耳にしますので、病気になる前に健康診断を受けるのも大事ですね。やはり病気については、早期発見と早期治療が第一だと思います。いざという時のために、日頃からの備えを心がけましょう。災害も病気も、最後は自分の身は自分で守るしかありません。
【2018年 8 月】
よしもと小児科 吉本寿美